山添村地域農業再生協議会の取り組み
(耕作放棄地再生利用緊急対策関係 山添村地区)
取組の目的
山添村地域農業再生協議会では、農業者・非農家で組織する里山再生プロジェクト
チーム「里楽」を主体として、下記3点を主目的に、実証ほ場の設置を行った。
1)耕作放棄地(茶畑)の再生
2)再生農地における各種作物の適性検証(生育実証試験)及び茶の木を木炭への
炭焼き加工試作
3)都市住民の農業体験、ならびに地域住民との交流の場の設置
取り組み内容
【実施年度】 平成21年度~平成23年度
【地 区 名】 山添村地区
【実証ほ場の所在】 山添村大字勝原2287番地 14a
1.再生利用活動(平成21年度)
総面積:14a
作業内容:草、灌木の除去・抜根除去、耕起、整地、その他 写真№1
2.実証ほ場実施経過
2010年(平成22年)
4月 3日「春休みお茶の木炭焼き体験と野外料理」イベントの実施
村外から10名参加 写真№2
5月12日 さつまいもの(500本)・山の芋の植付け 写真№3
10月15日 第2回お茶の木炭焼き 写真№4
11月20日 さつまいも堀り 写真№5
11月26日 玉ねぎの植付け(1000本) 写真№6
2011年(平成23年)
2月 2日 山の芋の収穫 写真№7
肥料・堆肥を入れ土壌改良 写真№8
3月26日 ジャガイモ(5kg)、山の芋(26個)植付け 写真№9
柚(10本)、夏みかん(2本)、レモン(2本)、カシス(11本)植付
6月15日 玉ねぎの収穫 写真№10
7月 9日「ジャガイモの収穫と野菜カレー」イベントの実施
参加者7名 写真№11
10月15日 山の芋の収穫 写真№12
3.実証ほ場事業の実施結果
1)作物の中で山の芋が一番適している。
2)さつまいも、玉ねぎ、ジャガイモの定植については、平均的な収穫量には
及ばなかったが、イベントにおいての試食で食味は良好で好評であった。
3)茶畑荒廃地の再生では、土壌改良や施肥が重要。
次の施肥量として、次の表を標準とする。
a.
土壌の物理性の改善(土づくり)
牛糞の堆肥 3t/10a
b.
土壌の酸度調整
現状の数値PH4.5~5.5→改善目標値PH6.0~6.5
苦土石灰 60~100kg/10a
c.
施肥
サツマイモ等の場合(元肥のみ)
肥料名
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10a当りの量
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主要な成分(kg)
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肥料の各成分割合(%)
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窒素
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リン酸
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カリ
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窒素
|
リン酸
|
カリ
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炭素
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汚泥炭化肥料
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100㎏
|
2.7
|
8.6
|
0.6
|
2.7
|
8.6
|
0.6
|
28.1
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PK化成
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60㎏
|
-
|
12
|
12
|
-
|
20
|
20
|
-
|
合 計
|
2.7
|
20.6
|
12.6
|
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たまねぎ、じゃがいも等の場合(元肥)
肥料名
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10a当りの量
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主要な成分(kg)
|
肥料の各成分割合(%)
|
窒素
|
リン酸
|
カリ
|
窒素
|
リン酸
|
カリ
|
炭素
|
汚泥炭化肥料
|
200㎏
|
5.4
|
17.2
|
1.2
|
2.7
|
8.6
|
0.6
|
28.1
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IB化成S1号
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60㎏
|
6.0
|
6.0
|
6.0
|
10
|
10
|
10
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-
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合 計
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11.4
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23.2
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7.2
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(追肥) IB化成S1号 30kg/10a を2回与える
※汚泥炭化肥料:村内の屎尿処理施設で発生する余剰汚泥を炭化処理して出来た肥料
4)果樹については、茶畑はもともと酸性土壌であるため、果樹など樹木に
適していることが分かった。
(特にゆず、カシスの生育は良好であり、レモン、夏みかんは不適であった。)
5)伐採した大量の茶の木で炭を焼くことで、廃棄物の再利用を試み、全国でも
例を見ない茶の木を材料にした木炭の試作をおこない、小ぶりではあるが炭と
して活用することが実証できた。
その炭を利用した、香炉に茶の葉をのせて炭の加熱で葉をいぶし香りを
楽しむ試みも行い、「茶香炉」(チャコーロ)と名付け、観光協会を通じて紹介している。
写真№13
6.実証ほ場事業の実施結果の展示・公表
1)実証ほ場看板設置 写真№14
2)ホームページ「里楽通信」にて活動内容を掲載中
写真№1 再生利用活動
写真№2 「春休みお茶の木炭焼き体験と野外料理」
写真№3 さつまいもの植付け
写真№4 第2回お茶の木を炭焼き
写真№5 さつまいも堀り
写真№6 玉ねぎの植え付け 写真№7 山の芋の収穫
写真№8 肥料、堆肥入れによる土壌改良
写真№9 じゃがいも、果樹などの植付け
写真№10 玉ねぎの収穫
写真№11 「ジャガイモの収穫と野菜カレー」
写真№12 山の芋の収穫
写真№13 茶の木を材料にした木炭
茶香炉(チャコーロ)
写真№14 実証ほ場看板設置